葬儀のマナー

葬儀のマナー

●不幸の連絡を受けたとき
1.近親者ならすぐに駆けつける
不幸の知らせを受けたら、自分と相手の立場を考えて、すぐに駆けつけるべきか、通夜からでもよいか、告別式に出席するかを、ただちに判断します。
すぐに弔問にうかがうべきなのは、近親者か隣近所の人です。
特に近親者や親族の場合、ダークスーツや地味なワンピースを着用していたら、そのままで構いませんから、何はさておいてもすぐに駆けつける方がよいでしょう。
喪家では、お悔やみの言葉に続けて「何か手伝えることがあったら何でも言いつけて下さい」と申し出ます。
すぐに弔問できない遠隔地で連絡を受けたときは、理由を述べ、うかがえる日時を電話で手短に知らせておきます。

2.友人・知人の場合は
普通の間柄なら、通夜か告別式のいずれかに出席すればよいでしょう。
ただし、日頃から親しくしていた友人・知人の場合なら、通夜の前に弔問し世話役(諸係)を申し出たりするのがよいでしょう。
人づてに知らせを受けたときは、通夜か告別式のどちらか、都合のいい方に出席します。

3.近隣の人の場合は
親しい間柄なら、近親者と同じようにすぐに駆けつけ弔問します。
そして、子どもを預かるとか、買い物、手配、連絡などのお手伝いを申し出ます。
手伝う人が決まっているときは、無理強いはしないで引き揚げるようにします。
それほど親しくなかった人のときは、通夜での玄関先でのお悔やみか、出棺の見送り程度にとどめておきます。

●参列者の心得
1.急ぎの弔問と遺体との対面
不幸の知らせを受けて急いで駆けつけるときは、特に派手な着衣でない限り、平服(普段着)で構いません。
あわただしいときですから、玄関先で簡単なお悔やみを述べて長居は避け、通夜・告別式に出直すか、手伝いを申し出るかなどを、状況や故人との関係を考えて判断します。
遺族に故人との対面を勧められたら、「ではお別れをさせていただきます」と言って対面します。
もし対面が辛い場合などは、遺族にその旨を伝えて、対面しないのも失礼になりません。

2.お悔やみは悲しみをこめて
急ぎの弔問のときや、通夜・葬儀の受付などで、「このたびはまことにご愁傷さまでございます。心からお悔やみ申し上げます」とお悔やみの言葉を述べます。
故人との関係などで、内容は多少変わりますが、遺族への慰めの気持ちと、故人の冥福を祈る気持ちを簡潔に伝えることが大切です。
遺族に直接お悔やみを述べるときは、頭を下げ、悲しみの気持ちを態度で表します。
多少言葉は不明瞭でも気持ちは伝わります。

3.通夜の心得
受付ではお悔やみの言葉を述べながら、香典を差し出し、記帳を行います。
開始の10分くらい前には受付を済ませ、着席します。入室時は先客に一礼し、喪主、遺族にお悔やみの言葉を述べます 。
ただし、読経開始後に到着し、会場も広く遺族と弔問客の席が離れている場合は、無理にお悔やみを述べに近づくことは必要ありません。
一般の弔問の場合は末席に着くのが無難です 。
読経後にお焼香をします。通夜が終わり、通夜ぶるまいの席をすすめられたら、できるだけ出席し、箸をつけます。
一般客は折を見て辞去します。

●会葬のマナー
会葬とは、葬儀・告別式に参列することを言います。
葬儀に出る場合は開始前、告別式の場合は時間内に着くようにします。
コート類は脱ぎ、受付でお悔やみを述べながら香典を差し出し、記帳します。
式途中での中座は避けます。お焼香も速やかに行います。式が終わったら、控室で待機後、霊柩車の側で出棺を待ちます。
なお、通夜のときも含め、受付が無い場合はそのまま式場へ進み、式の前か焼香時、または終了後に遺族にお悔やみを述べ、霊前に香典を供えます。

1.弔問を控えるのは
出産間近、病気療養中、身内に結婚式があるとき。弔電を打つにとどめ、理由を言う必要はありません。

2.慶事と重なったとき
時間の調整がつけば両方に、つかなければ弔事を優先するのがしきたりとされています。
しかし身内の結婚式と会社関係の弔事ならば、結婚式に出ます。
弔事の方は「よんどころのない事情で」と参列を見送ります。

3.世話役を頼まれたら
できる限り引き受けます。できないときは、早めに断ります。
代わりの人を推薦できれば、遺族に教えてあげます。

4.一般会葬者の服装
①知らせを不意に受けて、駆けつけるときは、地味な平服で差し支えありません。

②きちんとした身なりで行きたいときには、男性はダークスーツに黒ネクタイ、黒靴。女性は落ち着いた色合いのワンピースと黒のパンプス。アクセサリー類は外します。

③何か手伝うつもりのときは、男性はジャンパー類を、女性は白か黒のエプロンを持って行きます

④通夜・葬儀・告別式で喪服を着ない場合、男性はダークスーツに白のワイシャツ、黒ネクタイ、黒の靴下、黒靴。
女性は黒か紺のワンピースまたはツーピースで、スカート丈はひざがかくれる程度のもの。

●会葬者のマナー
1.出棺時のマナー
会葬者は特に急いで帰る必要がないときは、告別式後に出棺を見送るのがマナーです。
よほど寒さが厳しいときのコート以外は、上着類や帽子などは手に持ちます。
親族代表のあいさつが終わったあと、霊柩車は火葬場に向かって動き出しますが、このときは合掌して棺を見送ります。

2.火葬場でのマナー
火葬場に行くのは遺族や近親者です。それ以外の人でも、遺族に頼まれた場合などは、できるだけ同行しましょう。
火葬場での控室ではビールなどの酒類が出て、すすめられます。
軽くのどをうるおす程度にします。火葬後はそのまま帰っても構いません。
精進落としへは、勧められたら参加するようにします。
精進落としの席で、遺族の人がお酌をしてくれたときは、励ましの言葉をかけてあげましょう。